パニックのことが気にならなくなりました

 

こんにちは。カウンセラーのふーみんこと工藤史惠です。

 

断薬のカウンセリングをしていると、色々な心の病のかたのご相談をお受けします。

最近はパニックを抱えている人のご相談もずいぶんと増えました。

パニックをお持ちのかたにはまた2種類いて、病院に通う・薬を飲み始めるきっかけがパニック発作だった人と、薬を飲むようになってからパニックを起こすようになった人がいます。

前者と後者、それぞれ少し対応が変わります。

 

そんな中、パニック発作と他の症状との両方を合わせて、ものすごく不安になってしまうクライアントさんがいました。

その人は、口癖のように「不安だ、不安だ」と訴えて来ています。

自分で、「私は不安障害だ」と言って、「なんで、病名を使って表現しようとするの?」と、私によく叱られていたほどです(笑)

私のところにご相談くださるようになった最初の頃のその人の不安の原因は
「またパニックになると、死ぬんじゃないかと不安になる」
というものでした。

まだ起きていないことを、起きるんじゃないかと不安になることを予期不安と言います。

パニックをお持ちのかたは、一度発作を起こしたときに死ぬんじゃないかという体験をしたのですから、またパニックが起きたらと不安に思うのは仕方のないことですね。

 

それを如何に改善していくかがパニックの肝なのですが、有効だと言われている「大丈夫だと」いう体験を少しずつ積んでいく認知行動療法でも、改善には時間が掛かりますし、中にはまったく効果がない人もいます。

私のカウンセリングでは、目先の症状をどうにかしようとばかり考えるのではなく、どんな症状でもそれがどこから起きているのかを考えます。

私が聞き取りをして、本人が気づいていない囚われを探すのです。

その人がパニックを起こしてしまったのは、疲れやストレスなどの複合的なものが理由で、直接的な明らかな理由はありませんでした。

でも、お話を伺ってすぐに、どうしてその人がパニックに対してものすごく不安なのかはすぐにわかりました。

そうすると、どんどんその人の中で変化を起こし始めたのです。

 

その人の最初の不安は、明らかにパニックに対する「死ぬんじゃないか」という不安でした。

なのに、その後しばらくすると、その人の不安を訴える内容がパニックに対してじゃなくなって行ったのです。

変化に気づいた私は、パニックのことを聞いてみました。

そうしたら、そのクライアントさんは

「もうね。パニックは気にならないんです。なりそうになるときはあるけれど、なってしまう原因がわかったので、それを心配する必要がないとわかったらパニックのことは気にならなくなったんです」

と話してくれたのです。

 

私、これを聞いたとき、本当に嬉しかったなぁ。

パニックを起こす人は、パニックを治したい治したいと言いつつ、実は「この症状を一生持ち続けて行くのではないか」と、心の中のどこかで思ってしまっている人が多いですからね。

それが「治せた」とか「克服した」とかではなく、「気にならなくなった」という言葉。

これが本当の改善なんですよね。

 

別に何か特別な療法を行ったわけではありません。

今まで生きて来た中で、知らず知らずに囚われてしまったものに気づいただけ。

本当にただそれだけなのですが、なかなか自分の囚われに気づくってことは、ただ日常を送っているだけじゃ難しいんですよね。

 

気づいて、受け入れて、腑に落とす。

うちのカウンセリングでは、たったこれだけの作業で、どんどん楽になって行っているクライアントさんが続出しています。

 

自分が何に囚われて、何に縛られているのか……。

自分の心の声によーく耳を傾けてみてください。

自分がどんな環境で育って、どんなことを言われ続けて来たのか、よーくよーく考えてみればその答えは必ずどこかに落ちていますよ。

 

私は、この世の中の人みーんなに、この囚われから解放されて、肩に力を入れずに楽に生きてもらいたいって願っています。

私自身、昔は頑張って生きる、肩に力を入れて生きていることが美徳だと思っていました。

でもそんなことを続けていたら、病気になってでも休みたくなっちゃうのは当然ですよね。

 

うつでも、パニックでも、摂食障害でも、不安障害でも、統合失調症でも、それぞれ特徴は違いますが考え方は一緒です。

よーくよーく本当の自分と向き合うこと。

苦しい時こそ、そんな時間をきちんと設けてみましょう。
たったそれだけのことで人生は変わっていくのですよ。

 

・精神薬をやめたい!
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